記事タイトルはトマス・ウルフの小説からとった。
昨夜からのことを書こう。昼過ぎまで川崎の子ども会の行事の手伝いをしていたぼくは、その後友人と飲んでおり、21時過ぎに足利に帰るため電車に乗った。北千住で館林行の電車に乗り、館林駅から太田方面の最終電車が23時31分に出る。
12時近くなって最寄り駅に着いた。そこでぼくはとんでもないことに気づいた。ズボンのベルト留めの輪っかにカラビナでくくりつけておいた自宅の鍵がカラビナごとなくなっていたのだ。カバンやポケットを漁ってみるが、出てくる気配はない。飲み屋とカラオケ店にも連絡するが、情報は上がってこない。鉄道会社の電話窓口は全てクローズしたようだ。万事休す。
ぼくは自宅の前でもう一度鍵を探したが、やはり出てこない。そのまま歩いてすぐのネットカフェに避難した。泣きたくなった。つかれているのかたばこ1本まともに吸えない。歯磨きだけしてリクライニングシートに横たわり、バンダナを顔にかけて、眠るよう努めた。意外と夜中も物音が騒がしく、夜のネカフェは修羅場だとは思ったが、電源、インターネット、飲み物と生活必需品はおおむねそろっているように感じる。
8時前に起きた。少し身の回りを片付ける。エアコンのせいか喉が乾いて痛む。そういえばここのネカフェはモーニングが無料である。これまで食べたことはなかったが、今日は非常事態である。トースト2枚を頂いた。パソコンの画面で現在の料金を見ると、深夜パックとなっており、いつもぼくがここで支払っている料金より安い値段が表示されている。まぁ、ぼくはここで夕飯を食べることが多いので、滞在費より食事代のほうがむしろ高くつくからなのだが。安い宿を求めてネカフェを利用するひとが多い理由もわかる気がする。
現在8時45分になるところ。鍵を探すより、壊して交換したほうが早そうなので、アパートの管理会社に9時になったら連絡することとする。今日は月曜祝日なので、業者がやっているかが問題だが、それは連絡してから考えよう。
「鍵のない生活はきみを自由にするか」