雨のときにひとつひとつの雨粒を
ぼくらが気にしないように
あなたは
あなたをおもうナイーブな男子たちのなげきを
ひとつひとつ気にかけたりはしない
あなたはただ
波の音でもきくようになげきの合唱を
耳にするのだ
一本下駄
おれは自由を手にしたんじゃない
不自由を手にしたんだ
よろこんで不自由を手にすることが
どんなにわくわくすることか
きみにはわからないだろうね
片恋 phase 10
ぼくはぼくの不在を使者としてつかわし
ぼく自身は一歩も動かなかった
はたしてぼくの不在は無事にあのひとに
言伝をしてくれるだろうか
日曜日
それは1週間を
葬り去る曜日であり
起きた瞬間から
終わることを考える曜日である
片恋 phase 9
あまりにも何回も
あのひとがあたまのなかで
想起されるために
ぼくはあのひとをすきになるしか
ないのだ
ひまろん
神さまがひまだというのは
永遠についていっているわけですが
にんげんがひまだというのは
ゆうげんな時間についていっているわけでして
つまりにんげんはかぎられたものにたいして
かじょうだといっているわけです
神さまはそんなにんげんに
おわりをよういしてくれるわけですが
にんげんはかわるがわる
ひまだとこぼすのです
いったいどちらがひまなのでしょう
神さまもこまっているかもです