マイ・ビワイチ後編

琵琶湖一周西側

9/25 Sun

長浜のホテルで目覚める。着替えるだけ着替え、顔を洗って朝食へおりる。ホテルは湖のすぐ前で朝食会場からもゆらゆらとうねる湖面が見える。フェリーから見る瀬戸内海のようでもある。

景色はロマンチックだが、宿泊客も多く、バイキングから好きなものを取ってくるのも時間がかかる。いつも通りコンチネンタル風味で済ます(スクランブルエッグとベーコンは付けたが)。部屋に戻り荷物をまとめる。

9時過ぎに出発。ホテルの前の遊歩道の眺めが最高で、昨夜は星をみながらしばらく佇んでしまった。この朝もぼんやりしたい誘惑に駆られつつ、先もあるのでよらずにバイクのエンジンをかけた。

昨日も通った道路で奥琵琶湖方面へ。国道303を途中でそれてマキノ方面へ湖岸沿いを行く。湖面にはもやがかかって山水画のようである。キャンプやサーフィン、ジェットスキーなどの人もちらほら。

コンビニでトイレ休憩。その後マキノのビーチ沿いを走る。本当はこのあたりに泊まってみたかったのだが、宿が取れなかった。別荘地の雰囲気は濃厚で、キャンプ場や公園がいっぱいある。道路沿いに縦列でクルマが停まっている。次来る時は早めに宿探してみようかな。のんびり走り抜ける。

マキノを過ぎて風車街道に合流。アクセルを捻る。レブルはスピードのキレはいまいちだが、一度速度がのってからはなかなか安定した走りで快適である。寄ろうとしていたガソリンスタンドをスルーしてしまう。まあまだ油量はあるので次でも良かろう。少し湖岸から離れつつ、信号もしばらくない街道をすいすい進む。

国道161に合流。さらにスピードが上がる。このあたりのレブルの安定感は大変よろしい。ヒヤヒヤせずにゆったりスピードに乗れる。ちょっと交通量が増えてきた。白髭神社を通過。ガソリンスタンドを発見したので寄る。ガソリンを半分くらい給油。これ一周だけなら入れずに回れるかもしれないな。

ガソリンスタンドから数百メートル走ったところの(白髭神社近くの)カフェに寄る。11時くらい。店内からの眺めは申し分ない。ホットサンドとカプチーノを頼む。カプチーノはかなり美味。ツーリングの醍醐味である。12時くらいまでのんびりする。まだバイクの返却時間まで5時間もある。このまま石山まで行っても40キロくらいだろう。寄り道しようと思う。延暦寺へ行ってみることに。

そのまま161を南下。線路を過ぎたら高島大津線へそれる。堅田が近づくと渋滞気味となる。ウィンドブレーカーがかなり暑く感じられる。やや気持ち悪くなりコンビニへ寄る。お腹もやられ気味。13時半過ぎに再出発。渋滞気味のなか南下を続ける。バイクでは比叡山へ北側からのアプローチは土日祝禁止らしいので、南側から往復することに。

柳が崎から進路を西へ取り、比叡山方面へ。けっこうな坂道。比叡山ドライブウェイへ入る。さらに山道が険しくなる。サードギアだとエンストしそうになり、セカンドに落とす。ノロノロ運転。眺めの良さそうな絶景スポットもいくつかあったが、時間も心配なので一路延暦寺へ。

延暦寺のパーキングにバイクを留め、拝観券を買う。東塔エリアと西塔エリアを足早に見て(見たうちに入らないかもしれないが)回る。西塔からパーキングに戻る道がわからなくなるが、結局東塔に戻るしかないようで、同じルートを歩いて引き返した。本当は色々ゆっくり見て回りたいのだが、時間も迫っていたので仕方なくパーキングへ足早に戻る。この時点で15時半くらいだったと記憶している。バイクの返却は17時。

下山もテクニックがないのでエンジンブレーキ頼りでゆっくり下りた。後ろのクルマにはちょっと申し訳なかったが事故を起こすよりは良いだろう。

大津方面へ向かう。普通に交通量は多く、流れが時々詰まる。やっとのことで琵琶湖大橋を渡り、昨日迷いこんだイオンの脇を通過。まもなくレンタルバイクショップに着いたが、いったんすぐ近くのガソリンスタンドでタンクを満タンにしてから返却する。無事チェック終了で自由になった。

この日は米原に宿を取っていたので、そのまま瀬田駅から米原に移動した。米原で夕飯を食べようと思っていたのだが、歩いて行ける範囲にレストランが見つからなかったので、電車で彦根まで一駅移動して、彦根でカレーを食べて米原に戻った。

電車移動(帰路)

9/25 Mon

昨晩は寝落ちしていた。コンビニで買っていた朝飯を食べる。10時前の新幹線の切符を昨日のうちに駅で買っていた。時間があると思っていたら、なんだかんだで出る時間となり、駅へ。

久しぶりに新幹線に乗る。少し寝た後、隣に人が座ったので、あまり寝ているのも悪いと思い、ルソーの『告白録』を読み進めた。新横浜に着くころ、ちょうど1巻目を読み終えた。

最寄り駅には12時半ごろ着いた。新幹線で行くとかなり早い。時間を考えると悪くない選択肢である。

マイ・ビワイチ前編

書くことは最近ますます心痛を伴うようになってきたが、書かないと残らないこともあるので少しばかりがんばって書く。

ビワイチと書いたが、自転車ではなくバイクでの琵琶湖一周である。バイクは大津でレンタルした。

電車移動(往路)

9/23 Fri

前の晩寝たのが遅く、起きるのがやや押した。ともかくも出かける準備をする。駐輪場に行ってスマホケースを外すなどしていたらもたもたしてしまった。9時半ごろ最寄駅から出発。

横浜駅で普通乗車券だけ買って熱海行きの電車に乗る。なかなか混んでいて座ったのは小田原くらいから。

熱海で静岡行きに乗り換え。興津駅で浜松行きの始発へ乗り継ぐ。ルソーの『告白録』を取り出して読む。西に行くにつれ、かなり天気は怪しくなり、浜松に着くころには雨風が激しくなっていた。

電子を乗り継いで豊橋まで移動する。豊橋から米原まで快速列車に乗るつもりが、台風の影響で運休となった。いったん岐阜行きの各駅停車に乗り、途中で大垣行きの快速列車に乗り換えた。

昼食を食べるタイミングを逸していた。大垣から米原行きの電車に乗る。天気は落ち着いてきたとみえ、車内には夕陽が差し始めた。明日からの天気が心配だったのでほっとした。

米原で本日最後の乗り換え。石山を目指す。途中で日が暮れる。18時半過ぎには石山に着いた。

駅近くのホテルにチェックインし、ぷらぷらと夕飯を食べに出る。個人店のイタリアンに入り、本物のビールを呑みながらパスタを食べた。

レンタルバイクの説明動画を見てから寝る。

琵琶湖一周東側

9/24 Sat

ホテルで朝食をとり、荷物をまとめる。少し本を読んでから出発。まずは電車で隣り駅の瀬田まで。

駅から歩いて15分くらいのレンタルバイク店へ。思ったより暑く、上着を脱ぐ。

時間ぎりぎりか過ぎたくらいでお店に入る。ひととおり説明を受け、キーを受け取る。ちなみにホンダのレブル250だ。持ってきたスマホのホルダーをくくりつけ、マップを出して出発。

湖方面へ。イオンをかわして湖岸道路に出るはずが、イオンの駐輪場に迷い込んでしまった。立体駐輪場を回って出る。その後湖岸道路に出られた。

あとはもうほぼ道なり(東岸を北へ向かう)。イージーライダー気取りでバイクを走らせる。台風の影響か風はかなり強く、ロンTではやや寒い。道沿いにパーキングエリア兼公園が多数あり、キリよいところで寄ろうと思う。バイクもけっこう走っており、手を振ってあいさつしてくるライダーもなかなかの割合。サイクリストも大勢見かけた。

琵琶湖大橋を過ぎたくらいでいったん休憩。トイレに行ったあと、浜辺を少しぶらつく。公園はキャンプもできるようである。

上着を着てバイクを出す。ほぼ道なりだが、長命寺の分岐は左にそれ、湖岸ぎりぎりを走る。眺めはかなりグッド。その後しばらくして昼前にコンビニ休憩。このコンビニは月末で閉めるそうであまりストックはなかった。

彦根に入るくらいからまた湖がぐっと近くなる。相変わらず風が強い。昼くらいに今日泊まる予定の長浜に着いてしまったので、そのまま北側へ向かい、眺めの良さそうな岬を回って戻ることにする。

腹が減ってきたのと常に吹きつける風で寒さを感じ始めた。休憩できるとこないかなと思う。だが街を離れていく感じしかしない。困っていたら道の駅(湖北みずどりステーション)が現れた。迷わず寄る。

食堂で温かいうどんを頼み、2階の展望室ですする。スマホを携帯バッテリーから充電するのも忘れない。

缶コーヒーをのみ、ウィンドブレーカーを着て再出発。木之元まで北上し、国道303から分岐するローカル線を使う。近くには大きな街もなく、湖岸のスケール感はなかなかのものだ。あまり日本ぽくない。

つづら尾崎展望台に東側からアプローチしようとしたら、道路の入り口で二輪は一方通行とあり、国道303で永原まで回ってから岬を回る。上りがだんだんきつくなる。ギアは時折セカンドに。

人里離れた感もあったが展望台はなかなか賑わっていた。

食堂でコーヒーを飲んで休む。下山は一歩通行だが慎重に。国道303に戻り、再び南下して長浜へ戻る。

奮発してというかそこしか予約が取れなかったのでリゾートホテルに部屋を取っていた。バイクを停める場所をフロントできいてからチェックイン。部屋に上がる。

荷物をおろして日が暮れるまで休む。その後駅方面(東側)へ散策に出たが、夜のせいかあまり入れそうなお店は多くなく、マップで探して出てきたとんかつ店(西側)に20時過ぎに入り、そこで夕飯を食べた。

ホテルの大浴場でお風呂に入ってから寝る。

手紙

わたしは
あなたにむけて
A4 2枚の手紙をかいた
中身をよみかえし
おそろしい気持ちになって
清書するのを断念した
わたしの存在が
あなたにとって
とるにたりないものであるとき
わたしが
わたしのことばかり
紙の上にうつしたとて
それがなんになろう

うそ

木でできた人形も
うそをかさねれば
本当の人間となり
実はむかし人形であった
人間は
ひとたび本当のことを
口走ると人形に戻った