何時に起きたのか覚えていないが、朝日が上がる頃、手ぶらでルアーブルの街を散歩していた。朝のわちゃわちゃ感を感じつつ、しかしルアーブルはつるりと洗練された感じで、あまり荒れたところがない。どこかで朝食でも食べようかと思ったが、結局どこにも入れず、9時過ぎにホテルに戻った。
フロントで朝食をお願いすると、10分待ってほしいと言われ、9時45分に朝食を食べる部屋に入った。胃が弱っているので、コーヒーではなく紅茶にした。お年を召したマダムがパンを持ってきてくれ、茶箱を開けてティーバッグをお選びくださいと言った。トワイニングのバニラフレーバーを取る。ぼくの知る限りフランスでは、あるいはドイツでも、基本ティーバッグで、茶葉は出てこない。通りを眺めながらぼんやりクロワッサンをほおばる。
その後10時45分まで部屋で片付けをしたりトイレを済ませるなどして、11時前にホテルを出た。ムッシュのもてなしが温かいホテルだった。ルアーブルに泊まる予定があるならホテル・ル・グリーンをおすすめする。
市役所まで歩いていき、地下駐車場の料金を払う。14時間くらい泊めて7ユーロくらいだからなかなか安いと思う。日本のパーキングと変わらないノリで停められるのもよろしい。
出口を出た後、一方通行の道を反対方向に出ようとしてしまい、ひやひやしたが、なんとか軌道修正をしてナビを頼りに市街地を離れていく。天気は雨及び霧。気温は3度くらい。
高速の入り口が激混みしており、なにかと思えば工事のようだ。蛍光ベストを着た係員に導かれ、ゲートをくぐる。
あまり飛ばさぬよう進む。本日は250キロくらいの走行。途中ガソリンを入れるタイミングでお店で休憩。バナナとマドレーヌ、オレンジジュースを買う。
パリが近づくからか、クルマの量が増えていく。追い越しもほどほどにと思ったが、トラックが多いので一番右の車線は避けた。
いよいよクルマが詰まり気味となり、スピードも大して出なくなったところで、パリ環状道路にインする。基本混んでおり、割り込みもめずらしくない。このあたりは首都高と一緒。バイクも多いので要注意だ。車線をはみ出さないようにし、前に入るクルマがあればとにかく譲った。最後の最後で事故はごめんだ。
ポルト・ドゥ・バニョレで パリ環にさよならし、交差点で左折待ち。なにやら老婆が用があるらしくガラスをノックしてきた。少し窓を開け、話を聞くと、なにか食べ物をくださいと言う。はあ、と思ったがちょうどバナナがあったので渡してボンジュルネと言った。
その後ほどなくしてAvisのオフィスに着いたが、ガソリンが満タンではなく、スタンドの場所をきく。本当はもうあまり運転したくないのだが、ガソリンくらい入れねばとスマホのナビにガソリンスタンドをセットしてしばらく走る。
ナビ通りに走っているつもりなのに、さっぱり着かず、肝を冷やす。なんとかTOTALのスタンドに入るものの、支払いの方法がわからず、店舗に入って尋ねる。後払いだった。SP95を11リットル入れて満タンにし、Avisのオフィスに戻った。
完璧ね、とスタッフの女性に祝福を受け、キーを返す。キズの確認など念入りにやるのかなと思っていたが、なにもなかった。
16時くらいだったがお腹が空いていたので、近くのケバブ屋に入り、ケバブ定食をがつがつ食べる。20セントまけてくれた。パリでまけてくれるとは意外だ。選べばいいお店があるものである。
月曜朝までいたダルタニャンYHに戻り、死んだように眠った。