右から見ても左から見ても
かなしい運命にある
恋愛というものをくぐりぬけなくては
この世のたくらみをのぞきみ
できないというのなら
ぼくはぼくのためらいを
ふみぬかなくてはならない
人間は人間に服従する義務などないが
なににも服従しなくてよいなどという
ことはありえない
人間がこの世のたくらみに参画するとき
それはしもべとしてであり
主体としてではない
人間はただ主体というものを
知るだけだ
それも運がよければ
恋の煙で瞳孔がひらいている
きみにいっているのだよ
きみからもぼくからも
はばたいていくもの
それがなにか
きみはその目でみたか