やりたいことはなにもない

洗濯機がうなる
彼とは話があわない
冷蔵庫はだまっている
いつかわたしを陥れるために

時間が足りないと
思っていたら
特別やりたいことも
なかった

やりたいことのほとんどは
ちいさな泡となってはじけた
わたしはやりたいと思ったことに
ひととおり手をつけたはずだが
いつのまにか
わたしの手元には
なにもなくなっていた
妄想さえも飛び立ったあとだった

これから死ぬまでのことを
考えることはわたしにとっては
無益で
考えても死にたくなるだけなのだ

わたしは他人の想像を裏切り
わたしはわたしの想像を裏切る
それでよいのだ
生きるとはそういうことなのだ

やりたいことはなにもない
梅雨もじきに終わるだろう

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