kazoku

むかしは田舎から子どもが東京に行ったのだろう
いやいまもそうだろう

ぼくは多摩川をわたれば東京に着くところで生まれた
すぐ近くの小中学校
そして横浜の高校
それから東京の大学に行った

いまや東京にはそのにぎやかなところに父親が
そしてそのはずれに祖父と母親が
暮らすのみである

ぼくと妹はそれぞれ
東京からはなれた

ぼくは家族が去ってしまい
ひとりになった老人のような
気さえする

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