就職して川崎から足利に引っ越し、ひとり暮らしを始めた。その年の6月にはブログを始め、詩を書き始めた。仕事はそれなりにつらかった。精神は肉体以上に苦悩した。たぶん仕事がいやだったのだと思う。正直、納得がいっていなかった。「なんで仕事をしなければいけないの」、「どうしてお金を稼がなければいけないの」という疑問に、ぼく自身「やらなきゃいけないから」という答えでは返せなかった。なぜ勝手に答えが、しかも答えにもなっていない答えが用意されているのだろう。ぼくは次第にお金自体も嫌いになり、給料をもらうのが気持ち悪くなり、そもそも仕事が好きではなかったので、10月に退社した。
仕事をやめたら天国かなとタカをくくっていたら、そんなことはまるでなかった。いくらお金が嫌いでも通帳の残高が減っていくのを見て平然としているわけにはいかないだろう。お金のこともさることながら、一日中考えごとをしているために、「死にたい」と思う頻度が増え、下手すると起きている間中「死にたく」なってくる。冬にさしかかり、ぼくは寝てばかりいた。
「死にたい」けど、べつに「死にたいわけじゃない」
つづく