恋愛の失敗を思い出しながらも
新しい朝は訪れ
わたしは今
いや自転車だ、自転車なんだ
と自分に言い聞かせながら
まだ陽ものぼらぬうち
孤独な練習に出かけるのであった
修行ごっこ
いかなる修行も
修行ごっこから
はじまるのなら
修行ごっこといえど
修行の一部にほかならない
本当の自分
他人から見た自分が
本当の自分ではないのなら
自分から見た自分が
本当であると
言えるのだろうか
自分が自分の絶対の支配者であると
言い切れる自分などいるのだろうか
もしカノ
もしもカノジョがいたならば
ぼくのうしろの髪を
三つ編みにしてもらいたい
(仮定法現在)
ぼくにはカノジョがいないので
ぼくは自分でうしろの髪を
三つ編みにしなければならない
そしてうまくいかずに断念する
(直接法現在)
虚勢
おとこは
死ぬ間際が
いちばんかっこいいのだから
と虚勢をはって
そしてこの歳で独り身であることに
あえて文句は言うまい
かぜひいて
ただただ
あまおとをききながらねむる
つゆのはじめ
趣味
投資のもとがとれない
個人的な事業のかずかず
修行
感じることと
感じることを考えることの
あいだには
大きな隔たりがあり
修行とは
考えたことを感じるために
なされる
しあわせ探し
わたしが想像するような
しあわせは
世の中には
ないのだから
そんなしあわせを
わたしは探してはいけない
世の中にあるのは
わたしが知っているしあわせか
わたしの知らないしあわせか
どちらかである
あらっぽさ
自分から
やさしくしているわけでもないのに
ひとから
やさしくされるとき
はじめて
自分のあらっぽさに
気づく