クリエイトの拳

わたしはクリエイター
などではなく
市井のばかものであるけれど
あえて次のように述べよう

クリエイティビティが
刺激されるかどうかは
重要ではない
重要なのは
クリエイトすること
それ自体なのだ
わたしはゆえに
刺激なくとも
クリエイトの拳を撃ち続ける

インスピレーションが
未来の快楽のなかに
存するとは
わたしは考えない
インスピレーションはただ
思い出のなかにあるものだ

さけ

いぜんは
いたみをしずめるために
さけをのんでいたが
ちかごろは
さけをのむといたみが
よりあざやかになってしまうので
さけをのむのが
おそろしくなってしまった

失敗

つまらないがしかし
重大な失敗をして
絶望するより
今夜はつまらない夜だと
言って床につくほうが
はるかに健全で賢明な
選択である

片恋 phase 31

そのときぼくは
唐突に夏がきたことを悟った

結局のところ
男も女も
自由でなければ
話にもならない

そして自由とは
ただ自分ひとりのみに
与えられたものではなく
みんなが切ることのできる
尊いカードなのだ

片恋 phase 29

好きなひとに
どう思われているか
いちいち気にしても
好きなひとのことが
好きなことには
変わりがないのだから
どう思われているか
いちいち気にしても
しかたがないんじゃないか