他人から見た自分が
本当の自分ではないのなら
自分から見た自分が
本当であると
言えるのだろうか
自分が自分の絶対の支配者であると
言い切れる自分などいるのだろうか
他人から見た自分が
本当の自分ではないのなら
自分から見た自分が
本当であると
言えるのだろうか
自分が自分の絶対の支配者であると
言い切れる自分などいるのだろうか
もしもカノジョがいたならば
ぼくのうしろの髪を
三つ編みにしてもらいたい
(仮定法現在)
ぼくにはカノジョがいないので
ぼくは自分でうしろの髪を
三つ編みにしなければならない
そしてうまくいかずに断念する
(直接法現在)
おとこは
死ぬ間際が
いちばんかっこいいのだから
と虚勢をはって
そしてこの歳で独り身であることに
あえて文句は言うまい
ただただ
あまおとをききながらねむる
つゆのはじめ
投資のもとがとれない
個人的な事業のかずかず
感じることと
感じることを考えることの
あいだには
大きな隔たりがあり
修行とは
考えたことを感じるために
なされる
わたしが想像するような
しあわせは
世の中には
ないのだから
そんなしあわせを
わたしは探してはいけない
世の中にあるのは
わたしが知っているしあわせか
わたしの知らないしあわせか
どちらかである
自分から
やさしくしているわけでもないのに
ひとから
やさしくされるとき
はじめて
自分のあらっぽさに
気づく
孤独ゆえに
ますます趣味がふえ
ますます孤独になる
短パンの
ポッケに両手突っ込んで歩く
春の夜