片恋 phase 24

あなたのことを
おもいうかべるとき
そのあなたは
すでに本当のあなたでも
そのままのあなたでもない
そのこと自体すでにつらい

あなたのことをおもえば
おもうほどに
わたしはあなたから
はなれていってしまう

片恋 phase 23

かみさま
わたしの仕事が
忙しいのは
知っております
しかしながら
わたしから
休日ばかりは
うばわないで
いただきたい
わたしは
どうしても
だいじなひとに
あいたいのです
そのためだけに
仕事の日々を
戦いぬこうと
そのように
思っているのです

片恋 phase 22

つらいとき
好きなひとに
ああ、つらい
しにそうだ
というのもよいのだけれど
むしろあえて
だまって
くるしんでいるほうが
おとこらしいのではないかと
おもうだけおもってみたのだ

片恋 phase 19

この間
幻覚剤について
聞く機会があったのだが
実はぼくの思ったのは
次のようなことだった

幻覚だけなら
いやそれ以上のなにか
についてさえも
恋の病で十分なのではないか
すでに世界の把握の方法自体が
無用な想像力によって
めいっぱい
歪められているのだから

片恋 phase 17

明日がいちばんつらい日だと
いうのならそれもよかろう
その日をだれに捧げるか
決める権利がぼくにはあるので
ぼくはそんな苦い1日を
好きなひとに捧げてみるのである

回想

丈の長いコートに
一本下駄という
いで立ちで
あなたに手を引かれながら
ラーメン屋の階段をおりていくとき
ぼくは自分が
救世主にでもなったような気がした

12時半

昨日も今日も
12時半まで起きていた
昨日は仕事で
今日は休みで

両者は全くちがうものだった
当然ぼくは後者を支持するのだが
それは自分の意志を反映できるからだろうか
いや
単に苦痛の問題かもしれない
両者を横に並べるのもナンセンスかもしれない
昨日があり今日があったというだけかもしれない