あなたのことを
おもいうかべるとき
そのあなたは
すでに本当のあなたでも
そのままのあなたでもない
そのこと自体すでにつらい
あなたのことをおもえば
おもうほどに
わたしはあなたから
はなれていってしまう
あなたのことを
おもいうかべるとき
そのあなたは
すでに本当のあなたでも
そのままのあなたでもない
そのこと自体すでにつらい
あなたのことをおもえば
おもうほどに
わたしはあなたから
はなれていってしまう
かみさま
わたしの仕事が
忙しいのは
知っております
しかしながら
わたしから
休日ばかりは
うばわないで
いただきたい
わたしは
どうしても
だいじなひとに
あいたいのです
そのためだけに
仕事の日々を
戦いぬこうと
そのように
思っているのです
つらいとき
好きなひとに
ああ、つらい
しにそうだ
というのもよいのだけれど
むしろあえて
だまって
くるしんでいるほうが
おとこらしいのではないかと
おもうだけおもってみたのだ
あのひとにあえない
日曜日なんて
日曜日を名乗る資格さえない
思い出も
あんまり沢山再生すると
すりへったりするものだろうか
この間
幻覚剤について
聞く機会があったのだが
実はぼくの思ったのは
次のようなことだった
幻覚だけなら
いやそれ以上のなにか
についてさえも
恋の病で十分なのではないか
すでに世界の把握の方法自体が
無用な想像力によって
めいっぱい
歪められているのだから
いま
わたしのあわれなたましいが
ちろうとしている
あなたのことをおもいながら
あなたのもとへたどりつけずに
明日がいちばんつらい日だと
いうのならそれもよかろう
その日をだれに捧げるか
決める権利がぼくにはあるので
ぼくはそんな苦い1日を
好きなひとに捧げてみるのである
丈の長いコートに
一本下駄という
いで立ちで
あなたに手を引かれながら
ラーメン屋の階段をおりていくとき
ぼくは自分が
救世主にでもなったような気がした
昨日も今日も
12時半まで起きていた
昨日は仕事で
今日は休みで
両者は全くちがうものだった
当然ぼくは後者を支持するのだが
それは自分の意志を反映できるからだろうか
いや
単に苦痛の問題かもしれない
両者を横に並べるのもナンセンスかもしれない
昨日があり今日があったというだけかもしれない