カテゴリー: 詩

生きていてくれて
ありがとうと
ただそれだけ
思うことができたなら
潔いのだけれど
そうもいかずに
好きなひとには
多くをもとめすぎ
なにがたりていて
なにがたりないのかも
わからぬまま
ただ
たりない
ほしい
と
もだえることになる

そうはいっても
昨日の自分を葬り去り
今日を生きなければならない
という罰を
嬉々として受け入れる覚悟が
君にはあるのか

趣味とは本来
孤独で
安上がりなものなのだ

だから
みんな
やろうとしないのである

欲望をへらすのは
欲望をふやすより
はるかにむずかしく
わたしの脳細胞は
つぎつぎと
恋愛細胞に置き換わってゆき
ついには
ただの恋する機械ができあがる

天国は天国ではないから
天国がおとずれる必要はない

人並みにがんばっているから
むくわれないのだ
人に並ぶな
追い越すか
遅れるかだ

あなたにあえないときの
さみしさを
帳消しにするために
あなたにあいにいくのか
あなたにあえないときの
さみしさを
かりいれるために
あなたにあいにいくのか
ぼくには
とうとう
わからなくなった

どんなにつまらない詩でも
あなたのもとにとどくのなら
そのとき
わたしのかいたかなしい文字たちも
はじめて
世界に接続されるような気がして
ただもう
なみだがでてくるのです

白い空をみても
あなたのことを考え
青い空をみても
あなたのことを考え
黒い空をみても
あなたのことを考える

末期症状というほかないが
わたしにはもう
治す気も治る気もないのだ

あたりまえだけど
あなたにあうことの
できない
このさびしさ