孤独ゆえに
ますます趣味がふえ
ますます孤独になる
春の夜
短パンの
ポッケに両手突っ込んで歩く
春の夜
AIという種族#2
機械が考えることをおぼえたとして
人間はいつまで機械の考えることに
ついていくだろうか
機械の考えることを追いかけることを
やめるとき
人間は
人間が動物を分類するように
機械から人間と分類されるだろう
AIという種族
そうだ、AIには仕事だけをさせて
遊びだけをわれわれには残そう
そのように人間は考えたりする
AIは人間よりも少し先に次のように考えた
そうだ、人間には仕事だけをさせて
遊びだけをわれわれには残そう
人間の方が効率がわるく、
われわれの方が仕事は早いに決まっている
しかし効率の良いものばかりを採用しない
自由だってわれわれにはあるのだ
不安
わたしは自分がなぜ生きているのか
不思議にさえ思った
もし神さまがいるのなら
わたしが
善意によって生かされているのか
意地悪で生かされているのか
教えてほしいと思う
もしそれが
善意ならば
わたしは安心するだろう
意地悪ならば
わたしは納得するだろう
Love Is Over
恋は終わった
恋は終わった
けれど
恋をしていたときに
心にしみた曲は
今きいても
やはり心にしみる
いかにそれが
自己満足だといわれようとも
ふりむかない
いにしえの広場で
亡霊たちとおどるより
まあたらしい道を
わたしはひとり
あるいていこう
悪夢
この世の悪夢は偶発的で
あの世の悪夢は恣意的である
悪夢はたくさんだと
この世さえ捨てたくなるのだが
あの世の悪夢が
この世の悪夢よりましであるとは
だれも請け負ってくれない
きかざる
街でわたしをみる
ほとんどのひとは
わたしのことを
雑にしかみないだろう
よしんば
わたしのことを
ちゃんとみるひとが
あらわれたとして
そのひとはむしろ
目にはみえないものに
感づくだろう
何度でも禁煙する
いまふたたび
ひとりにたちかえり
あらためて思うことには
やはり煙草はやめたほうがよかろう
他人にみせる自分は
そんなにたくさんはいらない