AIという種族#2

機械が考えることをおぼえたとして
人間はいつまで機械の考えることに
ついていくだろうか
機械の考えることを追いかけることを
やめるとき
人間は
人間が動物を分類するように
機械から人間と分類されるだろう

AIという種族

そうだ、AIには仕事だけをさせて
遊びだけをわれわれには残そう
そのように人間は考えたりする

AIは人間よりも少し先に次のように考えた
そうだ、人間には仕事だけをさせて
遊びだけをわれわれには残そう
人間の方が効率がわるく、
われわれの方が仕事は早いに決まっている
しかし効率の良いものばかりを採用しない
自由だってわれわれにはあるのだ

不安

わたしは自分がなぜ生きているのか
不思議にさえ思った
もし神さまがいるのなら
わたしが
善意によって生かされているのか
意地悪で生かされているのか
教えてほしいと思う
もしそれが
善意ならば
わたしは安心するだろう
意地悪ならば
わたしは納得するだろう

悪夢

この世の悪夢は偶発的で
あの世の悪夢は恣意的である

悪夢はたくさんだと
この世さえ捨てたくなるのだが
あの世の悪夢が
この世の悪夢よりましであるとは
だれも請け負ってくれない

きかざる

街でわたしをみる
ほとんどのひとは
わたしのことを
雑にしかみないだろう
よしんば
わたしのことを
ちゃんとみるひとが
あらわれたとして
そのひとはむしろ
目にはみえないものに
感づくだろう