夜の夢

もうここにはいないわたしが
もうここにはいないあなたに
むけてものをかくのも
こんやがさいご

ネオンと暗闇を
切り貼りしたような
飲み屋街のかたすみ

その一空間を占める
喫茶店で
あなたとすごしたこと
あなたとてをにぎったこと
あなたがわたしをすきだといったこと
そのどれをも
わたしは時折思い出し
またそっと心の谷間に葬る