オワリガ
ワカッテイルカラ
コソ
ヒビガ
イトオシイ
ソンナコト
アルノカナ
不在
あなたの不在に立ち会いつつ
不在というものの本質に思いをめぐらす
たとえば
あなたの存在がわたしにとって
わたしが勝手にこしらえた
わたしの妄想であるならば
あなたはつねに不在である
あるいは
わたしの妄想さえも
あなたの存在によって
想起されたものであるならば
あなたはつねに存在する
あなたの不在さえもが
あなたの存在をうらづける
すいようの夜
愛がなんだと
ほえるまえに
夜風にあたれや
Night ride
恋愛問答
—わたしのことはすきですか?
—神は存在しますか?
—質問にこたえてくださらないのですね。おっしゃりたいのはあなたの質問について、後半の存在しますか、がより重要だということでしょうか。
—ええ、まあ、そういうことです。
—わたしの質問にもその論理をあてはめたいのですね。つねにすきにきまっていると。
—ええ、まあ、そういうことです。
—わたしのかんがえはちがいます。
—ほう、というと
—わたしの質問は、あなたはわたしのことが、という前半の部分がより重要で、ひとり歩きしているすきですの部分なんか、ほんとはどうでもいいんです。むしろ、あなたはわたしを、という偏った指向性の部分のほうが、よりすきですの本質をしめしているような気さえするのです。
天秤
自分の恋心と運命を
天秤にかけつつも
自分の恋心も運命も
吹けばとぶような軽さで
あったなら
そんな軽さくらべに
なんの意味があるのかと
思わずにはいられない
チャンス
今あるチャンスを
みおくるとき
今あるチャンスが
チャンスだと思える
自分さえも
一緒にみおくっているのだ